普段はU-12のコーチをしているが、今日は子どもの高校サッカーの試合観戦。この地域の冬あるあるで「遠州のからっ風」が吹き荒れ、サッカー観戦には寒さが身に染みる日となった。
試合サマリー
前半、相手MFがドリブルを使いながらボールを運び、サイドへパスを供給する。サイドアタッカーはシンプルにクロスを上げ得点を狙ってくる。何度かシュートを打たれるシーンがあったが、粘り強く守備しゴールを守っていた。自チームはボールを奪うとまずは縦を意識しドリブル突破や前線のFW陣にロングパスを供給。ただ、なかなか相手を崩すことはできずフィニッシュまで持ち込めなかった。前半20分、自チームのCKキックからヘディングで合わせ先制点をゲット。1点リードのまま前半終了。
後半、MFがドリブルで局面を打開し相手陣内に攻め込むシーンがよく観られた。ただ、オフの選手の関わりが少なく相手守備陣を崩したり、フリーになってシュートを打つシーンは作れない。一方、守備陣は安定していた。MFなど1stDFが素早くプレスし相手の自由を奪う。そのままボールを奪ったり、2ndDFがインターセプトできていた。最終ラインは高さを活かし相手クロスを跳ね返していた。後半25分、ペナルティエリア外から相手のセットプレー。マークを外してしまいヘディングでゴールを奪われる。ここから相手チームは動きが良くなり押し込まれるシーンが増えた。後半39分、相手ロングスローを一度はヘディングで跳ね返すが、セカンドボールを拾われシュートを打たれる。これが決まり1-2。そのまま試合終了。
技術・戦術的分析
攻撃
縦の意識が強く個のドリブル突破や前線へのロングフィードを多用していた。ゴールを奪うためには相手守備が整う前に素早く相手の背後を狙う、突破してバイタルエリアに侵入することが必要だ。縦の意識は重要だと思う。ただ、縦を意識しすぎるあまり簡単にボールを失う回数が多いような気がした。縦の選択肢がなかったり、体勢が悪い場合は、幅と深さを使ってボールを保持しながら前進することも必要だ。そのためにオフの選手のサポート、動き出しがもっと必要だと感じた。今日の試合は2列目とくにサイドの選手が追い越してパスを受ける回数が少なかったように感じた。FWの落としをMFが受け、2列目から追い越したサイドアタッカーがDFの背後でスルーパスを受けたりなどもっと多くの選手が関わりコレクティブにプレー出来ればチャンスが増え得点も増えると思う。
守備
守備は安定していた。立ち上がりこそ1stDFのプレスが遅く相手に時間と自由を与えバイタルエリアまで押し込まれていたが、それ以降また後半は1st、2ndDFの関係性がよく高い位置でボールを奪えていた。ロングボールやクロスに対しては、DF陣の高さを活かしほぼ跳ね返すことができていた。失点は2点ともセットプレー。課題が残る。
トランジション
攻撃→守備の切り替えは速かった。とくにMF。奪われたら奪い返そうとプレスをかけディレイさせていた。そのため、2ndDF、最終ラインはポジションを修正する時間、的を絞る時間ができていた。
守備→攻撃については、2列目やDFが幅をとったり、前への動き出しが遅いように感じた。それができればもう少しボールを保持して相手エリア深く攻撃ができるだろう。
感じたこと・思ったこと
普段はU-12の試合を観ている。U-18の試合は、スピードがあり、コンタクトが激しく、空中戦は迫力がある。また、両チーム試合結果によって県大会に行けるか敗退するかが決まるため、緊張感、勝利への情熱がピッチ・ベンチから感じられた。40分ハーフと長かったが見応えがあり、あっという間に時間が過ぎた。
U-12の場合、子どもの発達の個人差が大きいため、足が飛びぬけて速い、背がめちゃくちゃ高い、ボール扱いが抜群にうまい選手がいるとそれだけで局面を打開できたり、試合を決めたりすることがある。U-18になると個人差はあるが、ある程度平均的になる。そのため「1人」で局面を打開したり、違いを生み出すことはより難しくなる。グループ・チームでどのようなプレーができるかで違いが出てくる。ただ、そのグループ・チームも個で形成されており、個々の小さな差がグループになると大きな差になるのは間違いない。
そんなことを考えながら自身のU-12の指導を振り返ってみる。やはりこの年代は「個」の育成が重要だと思う。しっかりとしたテクニック(動きながらのテクニック)、個人戦術(観ることの重要性、認知・判断・実行の習慣化、攻撃時の動きの優先順位、守備時のチャレンジの優先順位などなど)を身につけた個を育成していきたい。それがU-15・U-18のカテゴリーになったときに試合で活きると思うからだ。
コメント