高校サッカー 新人戦 県大会 1回戦

U-18

 先週に引き続き今週も子どもの高校サッカーの試合観戦。風がとても強く、風速はなんと12m。「遠州のからっ風」が吹き荒れる。気温は10℃だが体感温度はかなり寒い。冬のサッカー観戦は大変だ。

試合サマリー

前半

 相手チームは最終ラインからビルドアップし幅を使いながら攻撃を仕掛けてくる。自チームはボールを奪ったら素早く縦パスを前線に供給しゴールを狙う。

 前半10分、中盤で自チームのオフェンシブハーフ(以下、OH)がボールを受けスピードのあるドリブルで1人かわしペナルティエリア内に侵入しシュート。シュートブロックした相手DFの足に当たりディフレクションしゴール。幸先よく先制点。

 それ以降は相手がボールを保持しバイタルまで運ばれシュートを打たれるシーンが目立った。前半は1-0で終了。

後半

 後半も前半同様の展開。相手に押し込まれるシーンが多かったが、最終ラインが粘り強くゴールを守っていた。後半9分、相手の右サイドから高さのある質の高いクロスが入る。今日は風が強くハイボールの落下地点の予測が難しい。相手FWが競り勝ちヘディングでゴール。1-1の同点。後半15分、自チームのコーナーキック。高さを活かしヘディングでゴール奪う。これで2-1逆転。

 その後は、自チームのプレスが遅くなったり、セカンドボールを拾えなくなり、相手にボールを保持され押し込まれ苦しい展開になった。ただ、最後は粘り強くゴールを守り2-1で勝利。

技術・戦術的分析

攻撃

 ボールを奪った後の縦への速さは持ち味だ。ボランチはまず前線を観る、FW、OHはボランチからのパスを受けるために素早く動き出している。ボランチは最終ラインの背後を狙いパスを供給する。お互い意思疎通が取れているように感じた。この連携は普段のトレーニングの積み重ねで構築されているのだろう。

 メリットとしては、1本のパスで最終ラインを突破し決定的なチャンスを作ることができる。デメリットとしては、相手DFはまず中央を固めカバーにも入るため、パスが通る確率が低いこと。パスが通らなければすぐに相手ボールとなりまたDFとなる。縦の選択肢が難しそうであれば、幅と深さを使ってボールを動かし、ゴールへのルートを探りながら攻撃することも有効だと思う。

守備

 4バックに加え逆サイドのサイドハーフが最終ライン付近まで下がり5バック気味に守備していた。人数をかけていることもあり、中央は固く突破を防いでいた。サイドからのクロスも高さを活かし跳ね返していた。ただ、最終ラインに人数をかけている分、中盤が薄くなりセカンドボールは拾われていたように感じる。

 また、相手がビルドアップしながらサイドを変えたときのスライド・またはマークの受け渡しの判断が遅いシーンが見受けられた。そういうケースでは中盤でギャップができ、相手に簡単に前を向かせ、いいパスを出されてピンチを招いていた。

トランジション

 攻撃→守備

 ボールを奪ってからカウンター攻撃が多いため、守備陣は人数がそろっていることが多い。それもあり切り替えが遅いということはなかった。ダブルボランチの1人は攻→守の切り替えが速く運動量も多く守備に貢献していた。

 守備→攻撃

 ダブルボランチの1人が切り替えがとても速く、中盤から飛び出し最終ラインの背後へ何度もランニングしていた。パスは通らなかったが、相手DFは捕まえきれていなかった。2列目から飛び出されるとDFは対応が難しい。

 最終ラインに人数をかけており、守から攻になったときのサイドアタッカーの立ち位置が低いということがあるが、守→攻への切り替え時に長い距離をランニングし、DFの背後を狙う動きがもっとあってもいい思う。

感じたこと・思ったこと

 カウンター攻撃はやっぱり有効だということ。同時にそれだけになるとボールを保持できず守備の時間が増えるということ。当たり前の話ではあるが。

 攻撃の目的のひとつである「ボールを保持する」について考えてみたい。今日の試合を観てボールを奪った後、オンの選手が「観ながら運べること・運びながら観ること」が重要だと感じた。「運ぶ」ことができないと、見えているところへのパス、パスコースがない場合はロングフィードといった選択肢になりがちだ。U-12の試合でもお互い来たボールをすぐに蹴ってしまい、ボールが落ち着かないシーンが見受けられる。また、せっかく奪ったのに蹴ってしまい、またDFになるシーン。そこには「止める」というテクニックも必要になってくるが。

 ここで「運ぶ」と言っているのは、何もドリブルで1人、2人かわすといったことではない。空いているスペースにドリブルしたり、相手を背負いブロックしながらドリブルしたり、ターンして反対方向に運ぶことだ。運びながら観ることができれば、自分で状況を変え、パスコースを作りだすことができる。オンが運んでいる2,3秒の間に、オフの選手が動き出す時間ができサポートすることができる。その繰り返しで、ボールを保持できるようになり前進することができるようになると思う。

 では、普段自身が指導しているU-12年代で「運ぶ・観ながら運ぶ」を身につけるにはどのようなトレーニングが有効なのだろうか?C級ラインセンスの研修でも紹介のあった「フニーニョ(3対3、4ゴール)」が有効だと思う。

 数的同数のため、オンの選手にプレッシャーがかかる。止まってプレーしていたらプレスを受けて自由を奪われる。ボールを動かしながら運びながらのプレー(ドリブル・ターン)が必要だ。また、ゴールが2つあるためもう一方のゴールを「観る」という要素が出てくる。試合で必要なテクニック・個人戦術だ。

 また、オフの選手のトレーニングにもなる。オフの選手もマークにつかれているため、ボールを受けるには、オンの状況を観てタイミングよく動き出しマークを外す必要がある。止まっていたら、インターセプトされるだろう。所属チームでも低学年からフニーニョを取り入れて効果を観ていきたいと思う。


・サッカーをこよなく愛するおやじ
・町クラブのコーチ(コーチ歴7年)
・サッカーC級ライセンス保持(2022年取得)

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