U-18 高校サッカー ボトムアップ理論について

U-18

 高校サッカーの試合観戦。会場は静岡県磐田市にある公共施設のサッカー場。まずは会場の周りの景色に目を奪われました。青々とした茶畑があたり一面に広がっていました。「お茶どころ 静岡」といった感じ。今はちょうど新茶の季節で茶葉が収穫されていました。思わず写真撮影。

青々とした茶畑が広がる

 今回は、サッカーの環境面とチームで導入・実践されている「ボトムアップ理論」について書いてみたいと思います。

サッカーの環境が改善されている

 「ボトムアップ理論」の前にお伝えしたいのが、サッカーの環境面についてです。観戦したのは高校サッカーインターハイの地区予選。一番最初の予選リーグです。会場は写真のような感じで青々と茂る天然芝。とても綺麗に手入れされています。もう一度言いますが、予選リーグです。

綺麗に手入れされた天然芝のピッチ

 サッカーの環境面がかなり改善したなあと強く感じました。私が高校生の頃、約30年も前の話ですが、、、基本、学校のグランドで試合。もちろん土のグラウンドです。雨が降ったらどろんこです、、、

 今日のピッチのレベルは県大会の準決勝まで勝ち上がらないと使用できないレベルといった時代でした。このピッチでプレー出来たら気持ちいいだろうなとうらやましく思いました。環境面はかなり進歩していますね。

「ボトムアップ理論」について

 サッカー部では「ボトムアップ理論」を導入し、実践しているとのことです。この理論は、畑氏の広島県立広島観音高校サッカー部がインターハイで初の全国制覇を成し遂げたときに注目を浴びたことで有名だと思います。「ボトムアップ理論」と検索するとたくさん出てきます。「一人ひとりが主体的に考え、行動を起こす。自主自立した人・組織づくり」といった感じだと思います。

 入学当初の説明会で監督より「ボトムアップ理論」について説明がありました。「サッカーを通して人間力を高める」と言っていた記憶があります。

「ボトムアップ」の実践について

 今日は試合というより「ボトムアップ」がどのように選手たちに浸透しているのかに焦点を当てて観戦しました。

オフ・ザ・ピッチ

 今日も荷物は気持ちいいくらいにきちんと整理整頓されていました。これが「常」の状態です。これにはいつも感心しています。試合終了時や父兄へのあいさつも丁寧で礼儀・マナーについても細かいところまで意識し行動しているなあという印象です。

整理整頓された荷物

オン・ザ・ピッチ(スタッフ)

 W-upは選手のみで実施し、スタッフ(監督・コーチ2人)はベンチにいました。コーチングはとくになし。試合前は選手たちでコミュニケーションをとり、円陣を組んで試合に臨んでいました。スタッフからのコーチングはなしです。ゲーム中は、開始20分まで「ノーコーチング」。その間ゴールやいいプレー、ピンチもありましたが、とくにコーチングなし。ハーフタイムは選手が水分をとり休憩しながら話し合っていました。ここでもスタッフからのコーチングはなしです。後半、すこしだけ監督が選手に対してコーチングしていました。とはいっても、プレーが切れたタイミングで一言二言伝えて終わりといった手短なものでした。

オン・ザ・ピッチ(選手)

 一方選手たちはというと、試合中によく会話し、プレーについてお互い確認しているという印象があります。とくにGK含むDF陣はコミュニケーションをとりながらプレーしている印象があります。サブメンバーやベンチ外のメンバーたちは賑やかで明るく元気にプレーしている選手たちに声掛けしていました。

感じたこと・思ったこと

 全面的に選手たちに任せて、自主的に考え行動しプレーするようにしているなあという印象でした。それはコーチングの少なさが物語っていると思います。試合に勝つことを目指すのはもちろん「サッカーを通して人間力を高める」という考えがその先にあると私は受け取りました。ただ、同時にこれを実践するのは忍耐が必要でなかなか難しいと思います。

 私も町クラブのコーチを担当させていただいています。私も選手の「認知・判断・実行」を尊重したいため、試合中はあまりコーチングしないよう心掛けています。伝えたいことは試合前・試合後のミーティングで話すように心がけています。

 ただスタッフの「試合に勝ちたい・勝たせたい」気持ちが強くなるとどうしても「オーバーコーチング」になりがちです。U-12の会場で見かけるのが「パスを出せ、シュートを打て」など選手が判断すべきことを監督がコーチングするケース、また「今のはこうだった、もっとこうすべき、なにやってるんだ!」と今起こっている現象に対して、事細かく指示やコメントを発する「オーバーコーチング」です。

 どちらかというとスタッフが「主」となってしまい、選手が委縮してしまいリスクをとらずに安全なプレーや言われたプレーしかしなくなるケースです。この光景を見ると子どもたちがかわいそうに感じてしまいます。適切な「コーチング」は必要だと思います。ただ「オーバーコーチング」は子どもたちにとって効果的ではないと思います。

オーバーコーチング

U-12年代の指導で活かせること

 今日観て感じたことや気づきを踏まえて、私は引き続き、試合中は選手の「認知・判断・実行」を尊重し、なるべくコーチングしないよう心掛けていこうと思います。

 ただ、U-12とU-18年代は違います。U-12とくに低学年はサッカーを始めたばかりでもあり教えるべきことはしっかりと教えていく必要があると思います。日々のトレーニングではサッカーの原理・原則を教えていく。サッカーの主要な4局面「攻撃、守備、守→攻の切替え、攻→守の切替え」とその局面の目的を教えることをベースにし、局面に必要な個人戦術やテクニックを教えていきたいと思います。

 一方、試合ではトレーニングの成果を見つつ、子どもたちが主体となりサッカーを楽しんでもらえるような環境づくり、指導をしていきたいと思います。

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まんがでみる ボトムアップ理論

・サッカーをこよなく愛するおやじ
・町クラブのコーチ(コーチ歴7年)
・サッカーC級ライセンス保持(2022年取得)

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