U-12 6年間の戦績から見えてきたこと・学んだこと

U-12

 普段はU-12の担当コーチをしています。子どもたちの卒団式まで残すところあと1か月。先日、保護者から1年生から6年生までの戦績を記録したデータを頂きました。とてもありがいたい貴重なデータでした。そのデータから見えてくること・学んだことを綴ります。

6年間の戦績サマリー

 図1は、2024/1/27時点の1年生から6年生までの練習試合、公式戦を含む試合数と勝敗を学年別に分けてグラフ化したものです。PKの練習のためPK合戦のみ実施した場合も勝敗数に含めていますが、数は少ないので誤差の範囲。

図1:勝敗数

 図2は、2024/1/27時点の1年生から6年生までの練習試合、公式戦を含む試合の得失点数を学年別に分けてグラフ化したものです。当たり前ですが、PK戦の得失点は除いています。

図2:得失点

  図3は、戦績のサマリーです。

図3:戦績サマリー

データを見ての感想

 データを見て率直な感想はまず3年生までは「よく負けてたな~」と。10試合やって2試合勝てるかどうか…振り返れば、なかなか勝つことができず「次勝てるようにがんばろう」の繰り返しだったような気がします…

 4年生で変化が起きました。少しづつ勝てるようになり、子どもたち・スタッフもいままでトライしてきたことに手ごたえを感じたと思います。 そして6年生ではついに勝ちが負けを上回りました。県大会出場という目標は達成できませんでしたが、低学年から振り返るとここまで勝てるようになったことは素直にうれしいです。

データから見えてきたこと

6年間で大きく2つ変化があります。

 4年生なると失点数が減りました。2年生の失点数(1試合平均)が4.84でした。平均すると毎試合約5点取られている計算になります…それが4年生になると1.49まで減少しました。

 3年生のころに2年生までの結果を踏まえてスタッフで話し合い、守備の強化に重点を置きトレーニングを計画し直しました。その結果が表れたのだと思います。(思ってます…思いたい…)

 5年生で年間試合数が一気に増えました。「子どもたちは試合をすることが楽しい」「サッカーはサッカーをすることで上達する」という考えのもとたくさん試合をやりたかったのですが、4年生まではコロナ渦で大会が中止になったり、行動制限があり思うように練習試合が組めませんでした。

 5年生になると行動制限が解除され、スタッフで「できれば毎週1試合、最低月2試合」という目標を立て試合計画・試合調整に重点を置きました。それもあり試合数は年間106試合となりました。1年=52週間として、平均、毎週2試合を達成することができました。

データから学んだこと・今後に活かすこと

学んだことは大きく2つあります。

 1つ目は、子どもたちは「試合を通じて成長する」ということです。5年生から試合数を増やしました。また、全員がたくさんかつ平等にプレーできるようにプレー時間を配慮しました。そこから子どもたちの成長スピードが上がったと感じています。それは数字にも表れており、偶然ではないと思っています。

 子どもたちは試合に勝つこと・負けること、意図したプレーができたこと・できなかったこと、勝つことの喜び・負けることのくやしさなど試合を通して経験し、子どもたち自身が学習し、成長していったように思います。

 2つ目は、指導者も試合を通じて学び成長するということです。試合を通して自身の指導についてうまくいったこと・失敗を経験し、学習し、次の試合で改善できるようにトレーニングを考え、勝利を目指すことの繰り返しで少しづつ成長していくように思います。

 図4はC級ライセンスで学んだ「指導者の仕事」です。ゲームがベースにあり、ゲームの内容を分析し、トレーニングをプランニングし、トレーニングとコーチングで課題を改善し、次のゲームに臨む(コーチングサーキュレーション)という考えです。この循環を継続することでチーム・選手は成長するというものです。

図4:コーチングサーキュレーション

 この考えを念頭に置き、自身も指導してきました。

 うまくいったことは「守備の改善」です。2年生の失点数(1試合平均)が4.84という現実を改善したく、スタッフで話し合い3年生のころから守備の強化に重点を置きました。守備をテーマとした内容に多くの時間を配分し、トレーニングを実施しました。

 守備の原則である「ボールを奪う・ゴールを守る」を主テーマに置き、そのためにどのようなプレーが必要かをコーチングしながら、プレス・カバーリング・1st・2ndディフェンダーの連動・ハイプレスをテーマにトレーニングを積み重ねました。とくに守備の基本である「プレス」を改善したく、チャレンジの優先順位「インターセプト>ボールをコントロールする瞬間>ボールが足元から離れた瞬間>前を向かせない>追い込み」を繰り返し粘り強くコーチングしました。

 少しづつではありますが、試合中インターセプトが増えたり、高い位置でボールを奪えたりといったシーンが増えたと思います。守備力の強化が失点数の減少につながり最終的に勝率の向上に表れているのだと思います。(思ってます…思いたい…)

 最後まで改善できなかったことは「攻撃」です。

 特に攻撃時の「オフ」の選手のプレーを改善したかったのですが、結果としてあまり試合で実践できていなかったというのが実感です。具体的には、オンの選手の状況を見ながらオフの選手が予測し・動きだす、そのとき動きの優先順位を意識するというところです。背後をとれるのに前に動き出さない、オンの選手の状況が苦しいときに、角度と距離(幅と深さ)を意識し素早くサポートできないシーンが多くあったと感じています。このあたりは、今後の課題として取り組んでいきたいと思います。

 文章を綴りながらこの言葉を思い出しました。

 「サッカーはサッカーをすることで上達する」

 「最良のコーチングはサッカーをさせること」

 C級ライセンスで最初に学んだことです。一見当たり前の言葉ですが、今はこの言葉に重み・深みを感じます。それは現場で指導に携わったからこそ感じることだと思います。学んだことを、自身の指導に活かすとともにチームに伝えていきたいと思います。

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しん

・サッカーをこよなく愛するおやじ
・町クラブのコーチ(コーチ歴7年)
・サッカーC級ライセンス保持(2022年取得)

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