先日、担当していたU-12の卒団式がありました。日中はみんなで楽しくサッカー、夜は集まって食事をしながら、子どもたちの試合や合宿の様子を映像で振り返ったり、思い出に浸ったり、とても素敵な卒団式になりました。
そこで私から少しだけお話させていただいた「サッカーを通して経験し学ぶこと」について綴りたいと思います。
礼儀・マナー
サッカーを通じて、礼儀・マナーを学ぶことができると思います。所属チームの少年団の目標が「全員、あいさつがしっかりとできる」です。低学年のころから繰り返し指導してきました。高学年になる頃には自分からコーチ、他チームのスタッフ・選手にもあいさつできる子が増えてきました。
また、自分たちの荷物の準備・整理整頓・コートづくり・会場の片付けなどをできるだけ子どもたちにやってもらうように指導してきました。低学年の頃は本当に荷物が散らかっていました。6年生になると「常に」とまではいきませんでしたが、全員の荷物がきれいに整頓されている日が増えてきました。
コードづくりについては、長年付き合いのあるチームが子どもたちだけでてきぱきとラインを引きコートを作っているのを見て、所属チームでも取り入れることにしました。5年生ころから取り入れたのですが、最初は練習開始までにラインが引けず練習開始が遅れるような状況でしたが、半年くらいで慣れてきて開始前に完了しているようになりました。ラインを引くにはどのくらい時間がかかるか計算しそこから逆算し、グランドに早めに来るようになったと思います。
選手・審判・スタッフ・保護者などいろいろな人と関わりながら、あいさつ、礼儀、マナーを学ぶことができると思います。
判断力・決断力
「判断力・決断力」を養うことができると思います。他のスポーツも同じだと思いますが、とりわけサッカーは「試合中、多くのプレーヤー(敵・味方)が関わり、攻守が素早く入れ替わり、常に状況が目まぐるしく変わる中で、素早く選手自身が認知・判断・実行すること」が求められるスポーツだと思います。
子どもたちには「ピッチ上では自分で状況を観て・自分で判断して・プレーするように」と繰り返し指導してきました。「コーチから言われたことをそのままプレーするのではなく、状況を観て自分あるいは自分たちで判断して実行するように」と。
日々のトレーニングでは、サッカーの原理・原則を教えながらチーム力の向上を目指しますが、試合中・プレー中はできるだけ子どもたちに任せるスタンスを心掛けました。
試合中、周りの状況を観ることができない、判断の遅れや判断ミスなどたくさん起きます。サッカーなので当たり前です。逆に、事前に状況を観てゴールの可能性の高い選択肢を探し、素早く的確に判断し正確に実行するプレーも見受けられます。
この「認知・判断・実行」のプロセスをサッカーを通して6年間繰り返し実行していく過程で「自分または自分たちで観て・判断する力・決断力」を養うことができると思います。
壁を乗り越える力
「壁を乗り越える力」を養うことができると思います。例えば、試合中思うようなプレーができない、プレッシャーに負けてしまう、ミスが続く、なかなか試合に出れない、試合に勝てない、負けが続くということを多かれ少なかれ誰しもが経験すると思います。実際、私もそうでした。プレッシャーでプレーするのが怖い、安全でミスの起こらない選択しかしない、試合になかなか勝てないことが多々ありました。
ただ、そんな状況を打ち破るために、試合の映像を見て振り返ったり、仲間・コーチからアドバイスをもらったりして自分のプレーを分析します。そして課題を克服するために自分なりに考えトレーニングを積みます。
その結果、すべてがうまくいくということはありません。それでもなかなか突破することができないことはもちろんあります。ただ、今までできなかったプレーが少しづつできるようになったり、ミスを恐れずリスクをとって積極的なプレーが増えたり、勝てなかった相手に勝てるようになることがあります。このようにひとつひとつの小さな失敗・成功体験を通して「壁を乗り越える力」が養われると思います。
経験したこと・学んだことを応用する
上記が私の考えるサッカーを通して経験し学ぶことです。もちろん、それ以外にもいろいろなことがあると思います。経験し学んだことをサッカーだけにとどめず、日常生活や異なる分野に応用できれば素晴らしいと思います。
「あいさつ」はどこに行っても必要です。大人になってもあいさつは基本です。また、中学・高校・社会人になるにつれ自分で判断し、決断することが少しずつ増えていくと思います。そして誰しもが壁にぶつかり挫折を経験すると思います。
そんな時にサッカーとのつながりまたは共通点を見つけ、思考を変換してみる、応用してみることができれば、サッカーでの経験・学びを活かすことができるのではないかと思います。
かくいう私もサッカーでの経験をうまく応用できているかといえば自信がありません。サッカーはサッカー、仕事は仕事と分けて考えてしまっている部分があると思います。これはやはりもったいないと思います。
過去の経験を応用する、サッカーとのつながりまたは共通点を見つける、思考を変換してみることができれば、イメージが湧いたり、前もってリスクを想定できたり、解決策・ひらめきが生まれる可能性が高まると思います。例えば「サッカーでは目標を立ててうまくいったから、勉強でもこの方法を使ってみよう」「サッカーではこういうやり方で失敗したから、それを踏まえて別のやり方でやってみよう」などです。
言うのは簡単ですが実行するのは難しいと思います。ただ、子どもたちにはぜひサッカーで経験したこと・学んだことを日常生活や異なる分野に応用してみてほしいと思います。
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